事例解体新書#002

問い合わせ対応、もう人がやらなくていい仕事かもしれない。
事例10選

問い合わせは、会社のあちこちに降ってくる。顧客から、社員から、応募者から——電話が鳴り、メールが溜まり、誰かの仕事が止まる。この「答える係」にAIやチャットボットを立てた会社が、何をどれだけ変えたのか。社内FAQ・ECのカスタマーサポート・共済のコールセンター・採用の応募対応・電話調査まで、置き場所の違う10本を成果の数字で並べた。読みどころは削減率だけではない。答えるAIは、問い合わせを減らすだけでなく、相談を増やし、応募を取りこぼさなくする道具でもあった。

選定の基準と範囲:当サイトの掲載事例3,072件のうち、問い合わせ対応にチャットボット・FAQシステム・自動音声などのAI/自動応答を使い、数値成果が公開されている20件から、問い合わせの種類(顧客・社内・応募者)と業種が重ならないように編集部が10本を選んだ。順位ではなく並列の「選」であり、製品の優劣や市場の代表性を示すものではない。数字はいずれも各事例の公開情報に記載のもので、対象・期間は各事例記事から確認できる。

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01月100件の社内問い合わせが、10件になった

住友ファーマ株式会社医療・介護

住友ファーマでは、日常業務に関する社内からの問い合わせが毎月100件以上、担当部署に届いていた。FAQシステムを立てて社員が自己解決できる環境を作り、問い合わせは約9割減の月10件以下に。顧客対応より先に、まず社内の「答える係」から楽にするという順番を示す1本。

問い合わせ削減率
約9割削減
月間問い合わせ件数
100件以上から約10件以下削減
AIチャットボット導入で月100件以上の問合せを約9割削減、MRの生産性向上を実現この事例の詳細を読む →

02有人対応の77%が、人の手前で止まるようになった

株式会社アンドエスティHD小売・EC ・ 100以上のブランド展開

100以上のブランドを抱えるアンドエスティHDでは、EC拡大とともに問い合わせが増え、ツールも履歴も分散していた。AI活用を含むサポート基盤に集約し、FAQの自己解決率は90%、有人対応は77%抑制、対応時間も40%削減。問い合わせの「量」と「散らかり」を同時に解いた大型事例。

有人対応削減率
77%抑制
FAQ自己解決率
90%
FAQ・AI活用で有人対応77%抑制、カスタマーサクセスの効率化と品質向上を同時実現この事例の詳細を読む →

03年200万件の電話の前に、自己解決率80%の関所ができた

日本コープ共済生活協同組合連合会金融・保険 ・ 加入者数約867万人

加入者約867万人の日本コープ共済連には、年間200万件以上の電話が届く——加入者の約4人に1人が電話をかけている計算だ。WEB・LINEでの問い合わせにAIチャットボットを連動させ、自己解決率は80%以上に。電話を減らす王道の構図を、最大級のスケールで見られる1本。

AIチャットボットの自己解決率
80%以上
LINEチャットボット導入で24時間365日対応を実現、AIチャットボットの自己解決率80%以上を達成この事例の詳細を読む →

048拠点でバラバラだった答え方が、月500時間を返した

株式会社日立システムズIT・ソフトウェア ・ 従業員数800社以上のクライアント対応

全国8拠点のコンタクトセンターを運営する日立システムズでは、チームごとに業務運用が異なり、ピーク時の応援もままならなかった。CRMとFAQナレッジの基盤を揃えて運用を統一し、オペレーター業務を月500時間削減。ボットを置く前に「答えの置き場所」を揃える効果が読める1本。

オペレーター業務工数削減
月500時間削減
CRMとFAQシステムの標準化で月500時間の工数削減、全国8拠点でBCP対策を実現この事例の詳細を読む →

05オペレーターが答えを探す時間が、55%減った

UTグループ株式会社人材サービス ・ 資本金6.8億円

UTグループのコールセンターでは、オペレーターがマニュアルやFAQから答えを探せず、上位者へのエスカレーションに時間がかかっていた。AI検索を入れて必要な情報に直行できるようにし、エスカレーションにかける時間を約55%削減。答えるAIの置き場所は、顧客の前だけでなく「答える人の手元」にもあることを示す1本。

エスカレーションにかける時間
約55%削減
コールセンター業務マニュアル・FAQ整備でエスカレーション時間を約55%削減この事例の詳細を読む →

06電話95%の窓口で、ボットの解決率が3割増えた

富士フイルムサービスクリエイティブ株式会社IT・ソフトウェア

富士フイルムサービスクリエイティブでは、問い合わせの95%が電話で、デジタルでの解決が確立できていなかった。顧客の行動をアクセス解析で可視化しながらFAQとチャットボットを改善し、FAQ閲覧は2.8倍、ボットの解決率は30%増。置いて終わりにせず、解決率を測って育てる運用の1本。

FAQ閲覧数(PV)
2.8倍
コンバージョン率
25.6%向上
ヒートマップとチャットボット分析の活用でFAQ閲覧数2.8倍、CV率25.6%向上を実現この事例の詳細を読む →

07答えやすくしたら、相談が110%増えた

DNA先端医療株式会社医療・介護

新型出生前検査を扱うDNA先端医療では、認知度の低さから妊婦の疑問が多い一方、サイトでは必要な情報にたどり着きにくかった。チャットボットで疑問にその場で答える形にして、新規相談・予約件数は110%増加。減らすのではなく、聞きにくいことを聞けるようにして「増やした」1本。

新規相談・予約件数
110%増加
CV数
10%増加
チャットボット導入で新規相談・予約が半年で110%増加、妊婦の疑問を解消この事例の詳細を読む →

08深夜の応募にも答えて、面接設定率が91%になった

ブックオフコーポレーション株式会社小売・EC ・ 従業員1,460名、パートアルバイトスタッフ12,218名

ブックオフの採用では、応募対応をコールセンターに委託して1件1,000円のコストがかかり、深夜・早朝の応募者を取り逃していた。面接日程を自動調整するロボットに置き換え、面接設定率は80%から91%へ、設定コストは半減。応募者への「即答」が採用の歩留まりを変えることを示す1本。

面接設定率
80%→91%(10pt向上)
面接設定コスト
チャットボット+コールセンター併用で面接設定率91%達成、コスト半減この事例の詳細を読む →

09109日かかる電話調査が、3日で終わった

株式会社メディオテックエネルギー・環境 ・ 資本金5900万円

太陽光発電のメディオテックは、遊休地保有者への電話リサーチをテレオペレーターの手作業で行い、時間が足りなかった。自動音声の電話調査に切り替えて1日の発信上限は1人300コールから10万コールに、調査期間は109日から3日に。かける側の電話も自動化できるという、逆方向の1本。

調査期間短縮
109日→3日
1日の発信上限
300コール/1人→10万コール
IVR自動音声調査で営業効率を109日から3日に短縮、前期比2倍の獲得目指すこの事例の詳細を読む →

10問い合わせの中身をAIに読ませて、着信を3割減らした

株式会社インターネットイニシアティブIT・ソフトウェア ・ 大企業

IIJのサポートセンターでは、増え続ける問い合わせの85%——その場で解決した分——の背景を把握できず、改善に活かせていなかった。通話をテキスト化してAIで分析し、問い合わせの根にある原因を潰すことで着信を約30%削減。ボットで受けるのではなく、問い合わせ自体を生まれなくする締めの1本。

着信削減効果
約30%削減
コールリーズン分析で問い合わせ30%削減、顧客体験の最適化を実現この事例の詳細を読む →

受けて減らすか、生まれなくするか

10本を並べると、答えるAIの置き場所が一つではないことが見える。顧客の手前に関所を立てる(コープ共済・アンドエスティ)、答える人の手元に置く(UTグループ・日立システムズ)、社内に置く(住友ファーマ)、応募者に置く(ブックオフ)、こちらから掛ける側に置く(メディオテック)。そして減らすだけでもない——DNA先端医療は相談を増やし、IIJは問い合わせの根そのものを減らした。共通するのは、どの事例も「何の問い合わせが、どこから、なぜ来るのか」を数えてから置き場所を決めていることだ。次の一歩は、自社の問い合わせを種類と発生元で数えること。それが分かれば、この10本のどれが自社の構図に近いかは、自然と絞れてくる。

この記事に登場したサービス

記事で取り上げた事例で導入されていたサービスの一覧です(掲載データに基づく表記で、優劣や推奨を示すものではありません)。

exaBase FAQexawizardsAI・データ分析記事内の事例 →
Zendeskzendesk業務SaaS記事内の事例 →
FastHelp、FastAnswerfastseriesCRM・SFA記事内の事例 →
FastHelp, FastAnswerfastseriesCRM・SFA記事内の事例 →
sAI Searchscience業務SaaS記事内の事例 →
User Insightuserlocal業務SaaS記事内の事例 →
sinclosinclo業務SaaS記事内の事例 →
らくロボ プラスrecopAI・データ分析記事内の事例 →
リサーチコムlucidsoftその他記事内の事例 →
TopicScanemotion-techAI・データ分析記事内の事例 →
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