
広告費は増やした。なのに、受注は増えない。「広告費が受注につながらない」を解決した事例10選
広告費を増やせばリードは増える。だが受注は増えない——BtoBマーケティングでいちばん多い詰まり方だ。実際に受注まで届いた10の事例を並べて読むと、問題は獲得ではなく、そのあとにあった。展示会の名刺は1ヶ月放置され、リストは営業個人のExcelに眠り、ウェビナーは開催して終わる。リードの後工程——整備・育成・営業への接続——を直した10社を、受注に近づく順に並べた。最後は、商談ゼロだったサイトから40件の商談が生まれた話で終わる。
選定の基準と範囲:当サイトの掲載事例3,270件のうち、リード獲得・リード管理・ナーチャリング・営業への接続といったBtoBマーケティングの改善を扱い、数値成果が公開されている事例から、局面(広告費の配分・リードの整備・育成・営業接続)が重ならないように編集部が10本を選んだ(同一ベンダーは最大3本まで。別テーマの10選で取り上げた事例は除く)。順位ではなく並列の「選」であり、製品の優劣や市場の代表性を示すものではない。数字はいずれも各事例の公開情報に記載のもので、対象・期間は各事例記事から確認できる。
登場サービスの提供企業へ、編集部がまとめてお取り次ぎします(次の画面で選択を外せます)。
01広告で買っていた流入が、7倍のオーガニックに置き換わった
株式会社I-House ・ 小売・EC
リノベーションマンション情報メディアを運営するI-Houseでは、立ち上げ直後の集客を広告に頼り、ユーザーの行動を分析する手段がなかった。ヒートマップで記事の離脱点と熟読エリアを見ながらリライトを重ね、検索経由の流入は1年弱で7倍、広告費は半減。コンバージョンへの流入もオーガニックが広告の3倍に。広告は「買う流入」、コンテンツは「育つ流入」——配分を変えた最初の1本。
User Insightの活用でSEO集客へ転換、オーガニック流入7倍・広告費半減を実現この事例の詳細を読む →02Web施策を内製化したら、CPAが50%以下になった
株式会社 識学 ・ 人材サービス ・ 従業員100〜299名
組織コンサルティングの識学では、サイトやLPの制作・更新をすべて外注しており、時間と費用がかかって「思い立ったらすぐ試す」ができなかった。制作を内製化してLPのチューニングを自社で回せる体制に変え、外注費は3ヶ月で150万円削減、CPAは50%以下に改善。広告費の効率は媒体ではなく、着地ページの試行回数で決まっていた1本。
Webマーケティングをインハウス化し、3ヵ月で150万円削減、CPAを50%以下に改善この事例の詳細を読む →032週間かかっていた営業リストが、即座に出るようになった
レバレジーズ株式会社 ・ IT・ソフトウェア ・ 従業員数3,000名以上、グループ全体年商1,500億円
従業員3,000名超のレバレジーズでは、事業拡大で全国70万超の医療・介護施設データの管理が限界に達し、リスト作成に2週間〜1ヶ月、展示会リードの紐付けに約10時間かかっていた。法人データベースを導入して名寄せと紐付けを自動化し、リスト作成は1/20に、リード紐付けはほぼゼロになって即日〜翌日に営業アクションできるように。リードの鮮度は「獲得日」ではなく「動ける日」で決まる1本。
レバレジーズ、営業DX加速でデータ整備工数を1/20に削減この事例の詳細を読む →04名寄せが10分の1になり、「誰に当たるか」を決められるようになった
株式会社コンカー ・ IT・ソフトウェア ・ 大企業
経費管理クラウドのコンカーでは、展示会やウェビナーのリードをExcelで手作業名寄せしており、同じ企業が社名表記の揺れで別々に登録され、中堅・中小のセグメント管理もできていなかった。企業データベースとインテントデータ(興味シグナル)を入れて名寄せは1/10になり、インサイドセールスがアプローチの優先順位を付けられるように。リードの「量」より「並べ替え」が営業効率を決める1本。
インテントデータ活用で名寄せ業務を10分の1に削減、営業アプローチの優先順位づけを効率化この事例の詳細を読む →051ヶ月眠っていた展示会の名刺に、数日でフォローが届くようになった
AGC株式会社 ・ 製造業 ・ 大企業
AGCの化学品カンパニーでは、展示会で獲得したリードが外部ベンダー経由で整理されるまでに1ヶ月近くかかり、熱が冷めてからのアプローチになっていた。リードと企業情報の紐付けを自動化してMAと連携させ、獲得からメルマガ配信までは1ヶ月から数日に短縮。ブラックボックスだったリード整理を社内に取り戻し、PDCAを自分たちで回せるようになった。「速さ」そのものがナーチャリングだと示す1本。
AGC株式会社、MA連携でリード対応を1ヶ月から数日に短縮この事例の詳細を読む →06リードが4倍になり、商談化率も5ポイント上がった
パナソニック株式会社 ・ IT・ソフトウェア ・ 従業員243,540名(大企業)
パナソニックのAIカメラ事業部門では、顧客リストが担当者ごとに点在し、営業フローのデジタル化が遅れ、ナーチャリングまで手が回っていなかった。MAツールを2ヶ月で稼働させ、資料ダウンロードのポップアップ・メルマガ・ウェビナー申込を体系的に展開。リード獲得は約4倍、月5件だった資料請求は約20件になり、商談化率は5ポイント上昇した。獲得と育成を同じ仕組みに載せた効果が両方の数字に出た1本。
0からのマーケティング立ち上げで、リード獲得4倍・商談化率5ポイント向上を実現この事例の詳細を読む →07月1件の商談から、数千万円の案件が生まれた
マルホ発條工業株式会社 ・ 製造業 ・ 従業員318名
従業員318名の精密ばねメーカー・マルホ発條工業では、販路が展示会頼みで、リードは営業5名が個人のExcelで管理し、全社の顧客リストがなかった。サイトを刷新して訪問者をリード化し、管理ルールを統一、月2回以上訪れるホットユーザーを抽出してフォローする運用に。ホームページ経由の商談は月1件ペースになり、数千万円規模の大型案件の受注に至った。BtoB製造業でも「サイトが営業する」と示す1本。
ホームページ経由のリード獲得で数千万円規模の大型案件を受注この事例の詳細を読む →08ウェビナーを「開催して終わり」にしなかったら、見込客が62%増えた
ソフトウェア・システム開発会社 ・ IT・ソフトウェア
このソフトウェア開発会社では、年15回以上開くウェビナーの参加者は増えたのに、終了後のフォローが薄く、見込客に育たなかった。終了1時間以内のお礼メール、15分のダイジェスト動画、アンケート集計、営業への情報展開、3日間のフォローコール——という「5日間のタスク」に後工程を標準化し、見込客獲得率は62%向上、アンケート回答率は1.5倍に。ウェビナーの成果は本番ではなく翌週に決まる1本。
ウェビナー終了後のフォロー体制構築で見込客獲得率62%向上この事例の詳細を読む →09飛び込み営業の会社が、インサイドセールスで案件を2.5倍にした
株式会社第一印刷所 ・ 製造業 ・ 従業員248名
従業員248名の第一印刷所では、印刷業界のコモディティ化のなか、営業は飛び込み中心で、新規リードを獲得して育てる仕組みがなかった。マーケティング専門の担当を置いてインサイドセールスを導入し、イベント出展前にリードへのアプローチ方法を決め、ホットリードはSFAで体系的に追う体制に。イベント出展による案件創出は2.5倍になった。「獲ったあとに誰が電話するか」を決めただけで数字が変わる1本。
印刷業の営業組織改革:インサイドセールス導入で案件創出2.5倍を実現この事例の詳細を読む →10商談ゼロだったサイトから、40件の商談が生まれた
株式会社新菱 ・ 製造業 ・ 従業員1000名以上
従業員1,000名以上の化学系メーカー・新菱では、新規事業のWebマーケティングが手探りで、データがないため戦略が立てられず、サイト経由の問い合わせは質が低かった。データを見ながらサイトを直せる体制に変え、改善のリードタイムは3週間から1日程度に。行動履歴を営業システムと連携させ、興味度合いに合わせてメルマガを配信した結果、訪問数は35倍、ゼロだったサイト経由の商談は40件以上に。想定外の業界からの引き合いまで生まれた、締めの1本。
Webマーケティング導入で新規顧客開拓を実現、サイト訪問数35倍・商談40件以上を獲得この事例の詳細を読む →受注は、リードの数ではなく後工程で決まる
10本を並べると、「広告費が受注にならない」の内訳が見えてくる。まず、広告費そのものの使い方——買う流入を育つ流入に置き換え(I-House)、着地ページの試行回数を増やす(識学)。次に、獲ったリードの整備——名寄せと紐付けを自動化しないと、リードは動ける形にならない(レバレジーズ・コンカー・AGC)。そして育成——獲得と育成を同じ仕組みに載せ(パナソニック)、ホットな訪問者を抽出し(マルホ発條工業)、ウェビナーの翌週を設計する(5日間のタスク)。最後に、営業への接続——誰がいつ電話するかを決める(第一印刷所・新菱)。次の一歩は、先月獲得したリードが今どこにあるかを追跡してみることだ。「整理待ちの名刺の山」「誰かのExcel」「配信されないリスト」——答えに詰まったなら、それは広告費の問題ではない。この10本の型は、すべて広告費を増やさずに受注を増やしている。
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