
BDRの役割を誤解すると失敗する|「課題を聞く人」ではなく「ジョブに気づかせる人」
BDR(Business Development Representative)を導入したものの、
- アポは取れない
- 現場から「質が低い」と言われる
- 結局テレアポと何が違うのかわからない
そんな声をよく聞きます。
原因はシンプルです。
BDRの役割を「営業の下請け」だと思っていること。
BDRは
❌ 課題を聞き出す人
❌ ソリューションを説明する人
❌ アポを量産する人
ではありません。
そもそもBDRとは何か?
BDR(Business Development Representative)は、ざっくり言えば
「新規商談の入口を作る役割」
です。
ただしここで重要なのは、BDRは「売る人」ではない、という点です。
BDRの担当範囲は、営業(クロージング担当)が動くよりもっと手前。
- まだ課題が整理されていない
- そもそも検討が始まっていない
- 何が問題か、本人も言語化できていない
こういう状態の相手に対して、接点を作り、情報を渡し、温度感を見極め、次のアクションにつなげます。
つまりBDRの仕事は
**「商談を取る」ではなく「商談が生まれる土壌を作る」**ことです。
BDRの本質的な役割とは何か
BDRは「ジョブを作る/気づかせる」仕事
BDRの役割を一言で表すなら、
相手の中に、まだ言語化されていない「ジョブ(やるべき仕事)」を芽生えさせること
です。
ここでいうジョブとは、
- 今すぐ案件化している課題
ではありません。
むしろ、
- なんとなく違和感はある
- まだ優先度は高くない
- でも将来は必ず向き合うことになる
そういう未成熟な仕事です。
営業との決定的な違い
| 役割 | フェーズ | 目的 |
|---|---|---|
| BDR | 課題前〜兆し | ジョブに気づかせる |
| 営業 | 課題後 | 解決策を提案する |
BDRは
「課題を聞く」のではなく、「課題になる前の前兆を照らす」役割。
ここを取り違えると、次の失敗が起きます。
失敗するBDRの典型パターン①
企業名しか分からないのに、いきなり課題ヒアリング
これは最悪のスタートです。
相手からすると、
- 知らない会社
- 突然の電話
- 関係性ゼロ
その状態で、
「御社の課題って何ですか?」
と聞かれても、
答えようがありません。
なぜなら、
- 課題は“整理されてから”課題になる
- 多くの人は、まだ整理していない
BDRがやるべきなのは質問ではなく、
「あ、うちもそれ、そろそろ考えないといけないかも」
と気づかせることです。
失敗するBDRの典型パターン②
代表電話でソリューション説明を始める
これはBDRというより、
営業未満・広報未満の中途半端な行為です。
代表電話の相手は、
- 意思決定者ではない
- 課題の当事者でもない
- 役割は「振り分け」
ここで長々と、
- 製品の特長
- 事例
- 機能
を話しても、意味がありません。
BDRが代表電話でやることは、たった一つ。
「この会社に入口はあるか?」を確認すること
- 担当部署は存在するか
- どういう呼び方をしているか
- 今後つながる余地があるか
説明は不要です。
失敗するBDRの典型パターン③
「受付突破=ゴール」だと思っている
これはBDRがテレアポ化する瞬間です。
受付を突破しただけで、
- 達成感を持ってしまう
- 無理に話を進める
- 商談化を狙いにいく
しかし本来のゴールはそこではありません。
BDRのゴールは、
「この会社に、ジョブが生まれそうかどうかを判断できたか」
です。
- 今は違う → ナーチャリングへ
- 将来性あり → 情報提供を継続
- 今まさに → 営業へ
この仕分けができれば、BDRとしては成功です。
BDRは「相手に考えさせる」仕事
優秀なBDRほど、
- 説明しない
- 押さない
- 結論を出させない
代わりにやっているのは、
- 視点を渡す
- 比較軸を提示する
- 判断材料を置いて帰る
という行為です。
「最近、展示会の後ってどう活用されていますか?」
「Webで補完しようとする企業、増えてますよね」
これだけで十分な場合も多い。
その夜、相手が一人で考え始めたらBDRは勝ちです。
まとめ:BDRは“売らない”から価値がある
- BDRは課題を聞く人ではない
- BDRはソリューションを語る人でもない
- BDRはアポを量産する人でもない
BDRの仕事は、
相手の中に「やるべき仕事(ジョブ)」を芽生えさせること
そして、
- 芽が出そうなものを見極め
- 育てるか
- 営業に渡すか
を判断すること。
BDRをうまく設計できた企業ほど、
営業は静かに、しかし確実に強くなっていきます。




