
製造業BtoBが「事例コンテンツ」を作るときに、必ず気をつけるべき7つのポイント ── 営業に効くはずの事例が、逆効果になる前に
製造業BtoBのマーケティングにおいて、導入事例・活用事例は非常に強力なコンテンツです。
「実際に使われている」「成果が出ている」という事実は、営業資料やWebサイト、展示会後のフォローにおいて、これ以上ない説得力を持ちます。
一方で、製造業ならではの事情により、
- 事例を出したことで競合に塩を送ってしまう
- 顧客の判断を鈍らせてしまう
- 社内外の調整コストが膨れ上がる
といった**“やらかし”**が起きやすいのも事実です。
本記事では、製造業BtoBがマーケティング目的で事例コンテンツを作る際に、必ず事前に確認しておくべき注意点を、現場目線で整理します。
なぜ製造業の事例づくりは難しいのか
SaaSやWebサービスの事例と違い、製造業の事例には以下のような特徴があります。
- 製品・設備そのものが競争力の塊
- 顧客の生産戦略や内情が透けて見える
- 写真1枚、数字1つが重要な情報になりうる
つまり、「よかれと思って出した情報」が、簡単に武器にも弱点にもなってしまうのです。
① 競合に「採用製品」がバレるリスクを理解する
事例で最も警戒すべきなのが、競合への情報開示です。
特に注意が必要なのは、
- 量産機
- 標準化された製品
- どの会社にも売っている主力製品
これらを事例として前面に出すケースです。
量産機の事例が招く“あるある”
仮にあなたが、あるユーザーに量産機を納入しているとします。
その事例をWebに公開した瞬間、競合はこう動きます。
「〇〇社さんには、△△社の□□機が入っていますよね。
うちの新型なら、性能はこれだけ上です」
つまり、あなたの事例が、競合営業の“弾”になるわけです。
対策:一品もの・カスタム色の強い装置を選ぶ
事例に向いているのは、
- 一品ものの装置
- 特注要素が多い設備
- 他社が簡単に横展開できない構成
こうした案件です。
② 寡占市場のユーザー事例は、逆効果になることもある
市場プレイヤーが少ない業界では、事例が必ずしもプラスに働くとは限りません。
「あの会社が使っているなら、
うちは別の会社の製品を選ぼう」
という心理が働くこともあります。
対策:業界・用途をぼかす
- 業界を大きめにくくる
- 社名を伏せる
- 課題解決の考え方にフォーカスする
③ 機密事項の少ないユーザーを選ぶ
事例づくりがスムーズに進むかどうかは、
**ユーザー側の“情報耐性”**に大きく左右されます。
事例に向いているユーザーの特徴
- 技術が確立されている
- ノウハウがブラックボックス化していない
- 機密情報の線引きが明確
④ 受託案件は、基本的に事例に向かない
受託案件は、
- エンドユーザーが別に存在する
- 情報開示の権限が分散している
ため、事例化の難易度が高くなります。
対策
- 自社製品として納入している案件
- 契約上、事例利用が想定されている案件
を優先する。
⑤ 「現場判断だけ」で進めない
大企業になるほど、
- 現場は前向き
- 法務・知財・広報がストップ
という構図が起きがちです。
対策
- 初期段階で関係者を巻き込む
- 掲載範囲・トーンを事前に合意する
⑥ 写真の無断使用・写り込みに注意する
製造業の事例では、写真が最大の情報漏洩リスクになります。
- 背景の設備
- 型番
- 工場レイアウト
対策
- 写真は最小限
- 図解・イラストで代替
- 複数人で最終チェック
⑦ 詳細すぎるデータは出さない
- 生産能力が推測できる数値
- 稼働率が読める情報
は、ユーザー側のリスクになります。
対策
- 相対評価を使う
- 定性的表現を活用する
まとめ:製造業の事例は「出せるか」より「出すべきか」
製造業BtoBにおける事例コンテンツは、強力だが扱いが難しい資産です。
出せるかではなく、
出すべきか
を常に問い続けることが重要です。
Vizlaboでは、
**事例を“作ること”より、“どう使うか”**を重視したコンテンツ設計を支援しています。
無理に出さない。
しかし、出すと決めたら最大限に活かす。
それが、製造業BtoBマーケティングにおける
事例コンテンツの正しい向き合い方です。




