
マーケティングにおける“勝利”とは何か?数字で管理する体制をつくろう
「マーケティングって、なんだか雲をつかむような話だよね」
そう言われることが少なくありません。
たしかに、広告やSNS投稿、コンテンツ制作など「見た目」や「センス」が前面に出る仕事が多く、「感覚的な世界」という印象を持たれがちです。
特にBtoC領域では、流行に乗った「勝ちクリエイティブ」が話題になり、運やセンスの勝負のように見えることもあります。
しかし、BtoBをはじめとする本質的なマーケティングは、運やセンスではなく「数字」で管理できる活動です。
そして、マーケティングにおける「勝ち」とは、決して「バズること」や「いい広告を作ること」ではありません。
マーケティングの「勝ち」とは数値的成果のこと
マーケティングにおける勝利とは、最終的には次のような数値に表れます。
- 低CPA(Cost per Acquisition)
- 広告や施策で1件のコンバージョン(資料請求・問い合わせなど)を獲得するコストを抑える
- 低商談獲得単価
- 1件の商談を創出するまでにかかった広告費・制作費を抑える
- 高受注率(成約率)
- 商談から受注に至る確率が高い
この3つの指標は、マーケティングが「利益を生む活動」になっているかどうかを示す核心です。
どれだけ見た目がきれいでも、どれだけ多くのリードを獲得しても、この指標が悪ければ「勝っている」とは言えません。
「勝ち施策」を見つけることが最初のゴール
マーケティング活動を始めたばかりの段階では、まずは「勝ち施策(勝ちパターン)」を見つけることが最優先です。
たとえばこんなケースがあります:
- 広告でCTR(クリック率)は高いが、CVR(コンバージョン率)が低く、CPAが高止まりしている
- セミナーを開催しても商談に繋がらない
- SNSでバズっても資料請求に至らない
このようなときにやるべきは、施策を感覚ではなく数値で評価し、「どの施策が利益につながっているか」を把握することです。
逆に「勝ち施策」が見つかると、状況は一変します。
- 特定の広告クリエイティブが圧倒的に低CPA
- 特定のウェビナーテーマから高確率で商談発生
- 特定の資料DL後に接触した見込み客は受注率が高い
こうした**「勝ち確施策」を発見できれば、あとはそこに投資を集中するだけでマーケROIは一気に改善**します。
「勝ち施策」はサービスごとにまったく違う
ここで重要なのは、勝ち施策はサービスごとにまったく違うということです。
ある企業では「ウェビナーが商談につながりやすい」かもしれませんが、別の企業では「技術資料のDLからのインサイドコール」のほうが有効かもしれません。
「A社では広告経由が主力だからうちもそうしよう」と真似しても、顧客層・検討期間・購買プロセスが違えば、成果構造もまったく異なるのです。
だからこそ、自社で勝ち施策を見つけるまでは、小さく試して、数字で比較して、再現性のあるパターンを見つけることが極めて重要です。
感覚やセンスではなく「数字」で管理する
ここまで聞いて、「じゃあ数字を見るのは大事なのは分かるけど、実際どうやって?」と思うかもしれません。
最初にやるべきことはシンプルです。
- 目標指標を決める(CPA/商談獲得単価/受注率)
- 施策ごとにコストと成果を必ず記録する
- 媒体別・導線別・コンテンツ別に分析する
つまり、「なんとなく上手くいっている気がする」を排除して、全施策を数値で並べて比べられるようにするのです。
BtoBの場合、検討期間が長いため、リード獲得から受注まで数ヶ月以上かかることも多いですが、それでも中間指標(DL→商談化率、商談→受注率など)を設けることで精度の高い仮説検証ができます。
数字で管理できる「体制」をつくる
そして、本当に重要なのは、個人の努力ではなく「組織として数字で管理できる体制」をつくることです。
- UTMパラメータで流入元を一元管理
- MA(マーケティングオートメーション)やCRMで行動履歴と商談結果を連携
- 定期的にマーケ・営業で数値を振り返る会議を設置
このように仕組み化することで、
「どこに投資すれば商談が増えるか」
「どのチャネルが最も費用対効果が高いか」
「どの施策をやめるべきか」
を誰でも判断できる状態をつくることができます。
まとめ:マーケティングの勝利は、数字でつくる
マーケティングは、決して雲をつかむような感覚の世界ではありません。
BtoBでもBtoCでも、最終的に評価されるのは「利益にどれだけ貢献したか」であり、それは数字に表れます。
- 低CPA
- 低商談獲得単価
- 高受注率
この3つを軸に、「勝ち施策」を発見し、再現性を持たせる。
そのために、感覚ではなく数字で管理できる体制を整える。
これこそが、**マーケティングにおける本当の“勝利”**です。
「勝ち施策」を見つけた瞬間、マーケティングは博打ではなく投資に変わります。
だからこそ、まずは数字を整え、「勝てる構造」をつくることから始めましょう。