なぜ“リアル展示会の延長”ではオンライン展示は失敗するのか──製造業マーケティングのための体験DX思考

なぜ“リアル展示会の延長”ではオンライン展示は失敗するのか──製造業マーケティングのための体験DX思考

BtoBMarketingコンテンツマーケティングデジタルマーケティング営業DX

製造業のマーケティング現場で、
「オンライン展示をやったけど、ほとんど成果が出なかった」
という声をよく聞きます。

理由はシンプルです。

リアル展示会の感覚を、そのままWebに持ち込んでいるから。

つまり、空間の体験設計Webの体験設計に置き換えられていない。

この記事では、なぜこの誤解が起こり、どうすれば成果につながるオンライン展示を設計できるのか、
Vizlaboの“体験DX”思想に基づいて解説します。


✅ 結論:オンライン展示は「雰囲気」ではなく「理解の順序」を設計する場所

リアル展示会は

  • 物理空間
  • 人の導線
  • 偶然の遭遇
  • 営業の対話

で成立しています。

一方、オンライン展示は

  • 無限の情報空間
  • 自発的なクリック
  • 離脱自由
  • 文脈の提示が必要

というまったく別の環境。

リアルは“空間の演出”、Webは“理解の演出”が必要

ここを理解せずに、ブースを3Dで再現したり、動画を流したりしても成果は出ません。


◆ リアル展示会がうまく機能する理由

リアル展示の強みは、以下の“非デジタル要素”です。

強み 内容
偶然性 通りかかった人が目に留める
空気感 空間の熱量・臨場感
五感 音・距離感・サイズ感
営業の介在 反応を見て説明を変えられる

言語化するとこうです。

リアル展示は、予定調和ではなく“環境が語る”体験

だから、多少説明が不十分でも“雰囲気で伝わる”。


◆ オンライン展示が苦戦する理由

一方で、オンラインでは次の条件が成立します。

制約 内容
自発性 見る側が能動的にクリックしないと始まらない
競合は1クリック先 タブを閉じれば他の仕事に戻れる
情報密度が高い テキスト・動画・資料が無限に存在
論理優位 直感よりも理解が優先される

つまりこういうこと。

オンライン展示では“興味の誘導”と“理解の順序”がないと即離脱

だから、リアルと同じ“置き方”では通用しない。


◆ よくある失敗例5つ

失敗例 なぜうまくいかないか
ブースを3Dで再現 空間の意味がWebでは消える
動画を流すだけ “理解導線”がないので飽きる
PDFダウンロード 読まれない・体験がない
ボタンだらけ UIが思考の負担になる
製品紹介から始める “なぜ見るべきか”の文脈が先

これらはすべて、
空間的思考 → 体験設計的思考への移行が不足している。


◆ オンライン展示が成功する条件

オンライン成功の鍵は、導線の設計です。

必要なのは“理解のシナリオ”

例:

  1. なぜこの製品が必要か(課題提示)
  2. どう改善されるのか(価値提示)
  3. どの部分が優れているか(構造/機能理解)
  4. 実際の動作イメージ(3DCG/動画)
  5. 導入事例(信頼)
  6. 行動動線(資料DL・商談予約)

オンライン展示は
**「展示」ではなく「ストーリー体験」**なのです。


◆ Vizlabo方式:空間 → 理解へ翻訳する

Vizlaboがやっていることは

展示の翻訳

  • 空間の魅せ方
    理解の魅せ方
  • “偶然の出会い”
    意図的な導線
  • 営業の会話
    ナレーション・視線誘導・アニメ

Vizlabo展示の要素

要素 目的
3DCGで動作理解 「見れば分かる」を作る
視線誘導UI “どこを見るか”を迷わせない
ナレーション “なぜそれが重要か”を伝える
行動ログ “誰が何に興味を持ったか”が分かる

展示 × 3DCG × マーケティング
これがVizlaboの体験DXの核


◆ 失敗しないための原則

原則1:見せる前に、理解の順序を設計する
原則2:動画は“体験の部品”にすぎない
原則3:説明ではなく、“納得”を作る
原則4:UIは“視線を導くための道具”
原則5:展示は終わらない──常設で回す


◆ まとめ

  • リアルとWebは別の体験構造
  • 空間演出ではなく理解演出が必要
  • オンライン展示はストーリー体験
  • Vizlaboは展示の翻訳者

リアルの代替ではない。
オンライン独自の展示価値を設計する。

これが、成果が出る“体験DX”の思想です。