
人間は最強のUX、だからこそセールスのデジタル化が必要だ
きっかけとなったツイート
こちらのツイートをご存じでしょうか。
引用元: @kotakurihara
【デジタルマーケティング、デジタルセールスの不都合な真実】
Google Analyticsやヒートマップツール、コンテンツの閲覧履歴に基づくMAツールのスコアリングなど、顧客に関する情報はデジタル化された。それをもとに『最適な人に、最適な提案を、最適なタイミングで届けられるようになる』と言われるが、実際は“ほぼ不可能”と言えるほど実行は難しい。
たしかにデジタルマーケティング/セールス関連のツールやテクノロジーで
・顧客の属性情報(企業名、部署名、地域)
・Webサイトやコンテンツ、資料の閲覧履歴
・検索キーワード
などはわかるが、冷静に考えると、それ以外のことはほぼわからない。たとえば、顧客が
・どのような背景で
・どんな課題を抱え
・どの解決策を検討しているのか
・予算の規模や策定時期
・比較検討している商品/サービスとその理由
・検討の緊急度
・意思決定に必要な情報
など、提案する際に「本当に欲しい情報」がデジタル上には現れない。ピーター・ドラッカーはこう述べている
“コンピュータは論理の機械である。それが強みであり弱みである。外の重要なことは、コンピュータをはじめとする何らかのシステムが処理できるような形では把握できない。これに対し、人は論理的には優れていないが知覚的な存在である。まさにそれが強みである。”
最適な営業、マーケティングに欠かせない「顧客理解」においても同様だ。実際には、インサイドセールスやフィールドセールスが直接対話して知覚した方が、速く、効率的で、正確だ。
このツイートが意味すること
私たちはGoogle Analyticsやヒートマップ、MAツールなどで顧客の行動を追跡できます。
しかし、それでわかるのは「企業名」や「閲覧履歴」などの表層的な情報にとどまります。
- 顧客がどんな背景で動いているのか
- どんな課題を抱えているのか
- 予算や緊急度、社内の意思決定プロセスはどうなっているのか
――本当に欲しい情報は、デジタル上には現れない。
だからこそ「人間との対話」でしか得られない顧客理解があり、それが“最強のUX”だ、というわけです。
では、なぜデジタル化が必要なのか
ここで誤解してはいけないのは、「人間が最強なら、全部人間に任せればいい」という考え方です。
実際には、人間には“なんでもできすぎる”という弱点があります。
- 情報収集もできる
- メール配信もできる
- 顧客データの入力もできる
- 提案のストーリーづくりもできる
……結果として、本当に人間にしかできない“対話”や“関係構築”に割く時間が削られてしまいます。
人間を最強のUXにするために
だからこそ、セールスのデジタル化が必要です。
- 属性や行動ログの収集はシステムに任せる
- 定型的なナーチャリングは自動化する
- 優先度のスコアリングはアルゴリズムで絞る
こうした仕組みを整えてこそ、人間は「本当に価値のある対話」に集中できます。
まとめ
- 人間は最強のUXである
- しかし、なんでもできすぎるがゆえに力が分散してしまう
- だからこそ、セールスのデジタル化で人間の役割を“対話と理解”に特化させる必要がある
デジタル化は人間を置き換えるものではなく、人間を最強のUXにするための基盤なのです。