メーカーのWebサイトは「ウイニングラン」でいいのか?

メーカーのWebサイトは「ウイニングラン」でいいのか?

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今ではほとんどのメーカーが自社のwebサイトを持っていますが、そのwebサイトをセールスに使いこなしているサイトがどれだけあるのかと、問われると疑問符が残ると思います。
特に、産業機器のメーカーでは多くのメーカーのWebサイトは、製品検索機能が充実しています。
カテゴリで絞り込み、型番で検索し、詳細仕様を確認してダウンロードする——こうした導線は「選び終えた」人にとっては便利です。

しかし、それだけで本当に十分なのでしょうか?


製品検索=終着点の人にしか意味がない

製品検索機能は、すでに型番が決まっている、もしくはある程度候補が絞られているユーザーにとって有用です。
言い換えれば、購買行動の終盤フェーズでようやく活躍する導線です。

では、選定前のユーザーには何が見えているでしょうか?

  • どんな選定基準で選べばいいのか?
  • 他社製品と何が違うのか?
  • 自分の業種・用途に合う製品はどれか?
  • 実際の導入事例や効果は?

こうした疑問に対する情報が不足しているWebサイトが、まだまだ多いのが現実です。


ウイニングランよりも「スタート地点」の整備を

製品検索は「ゴール手前のユーザー」にしか響きません。
むしろ重要なのは、まだニーズが明確になっていない人に対してタッチするコンテンツです。

たとえば:

  • 導入事例:同業他社の課題とその解決ストーリーがあると、自分ごと化しやすい
  • 選定ナビゲーション:目的別・用途別に製品をナビゲートすることで、初期検討層の不安を払拭できる
  • 比較・診断ツール:複数製品の違いを提示したり、自社に合うモデルを提案できれば、営業工数の削減にもつながる

これらのコンテンツは、「選ばれる前」の段階にいる見込み客と接点を持つための重要な資産です。


Webサイトは「勝利の余韻」ではなく「商談の起点」に

展示会や営業訪問の代替だけでなく、それ以上の価値をWebサイトに持たせるには、
“顧客の意思決定プロセス”の早い段階に食い込む設計が不可欠です。

今のままでは、Webサイトは単なる「製品カタログの延長」でしかありません。

マーケティング起点で考えれば、Webサイトこそが最初の営業接点です。
事例、ナビゲーション、選定ツール、課題別コンテンツなど、検討の起点になるコンテンツを整備することで、
ようやく“勝ちに行くためのWebサイト”になります。
このような、“勝ちに行くためのWebサイト”をつくるためには、会社全体のwebサイト上で、実現するよりもセールスのためのwebサイトをもつのが最も効果的です。
昨今では、生成AIの台頭により、webサイトを製作、維持するコストが劇的に低くなってきました。
さらに、会社全体のwebサイトを改修しようとすると、多くの部門が絡む可能性があり、営業、マーケ部門で単独に意思決定できない場合があります。
だからこそ、セールスのためだけのwebサイトの立ち上げをお勧めします。


まとめ

  • 製品検索だけでは「選定が終わった人」にしか届かない
  • 重要なのは「選ぶ前」に情報提供すること
  • Webサイトは「ウイニングラン」ではなく「スタート地点」にすべき

メーカーのWebサイトはもっと強くなれる。
営業の代わりをするためではなく、営業を“加速”させるために、今こそWebサイトの位置づけを再定義すべき時期かもしれません。